中学校に入ってから習うのではもったいない 走れメロスは小学校で読むのがおすすめ

Last Updated on 2024年11月5日 by toshi

「走れメロス」は、太宰治による短編小説です。

この物語は、友情や信頼、そして人間の強さをテーマにしており、未だに多くの人達に愛されています。

今回は、児童文学の名作「走れメロス」について紹介していきたいと思います。

 

走れメロスとは

 

走れメロス 太宰治 名作選 (角川つばさ文庫)


走れメロスの著者は太宰治で、青森県生まれの作家です。

東京帝国大学に入学後、井伏鱒二に弟子入りし、自虐的、反逆的な作品を多く発表しました。

代表作に、津軽、斜陽、人間失格などがあります。

私のイメージですが、太宰治の作品の多くは、人間の本質的なもの、闇の部分が多いイメージです。

ただ、例外として、走れメロスに関しては光の部分に焦点が当てられていて、物語を通して友達の大切さや人の信頼することの素晴らしさを教えてくれるという特徴があります。

 

走れメロスのあらすじ、内容

 

それでは、簡単にあらすじを紹介していきます。(ネタバレ含む)

メロスは、故郷の村に住む青年で、正義感が強く、友人を大切にする性格です。

ある日、彼は暴君ディオニスの圧政に対して反抗し、ディオニスに捕まってしまいます。

メロスは、友人のセリヌンティウスを助けるために、彼の命を救うために自らの命を賭けることを決意します。

ディオニスは、メロスに対して「3日以内に戻ってこなければ、友人を処刑する」と言います。

メロスは、信頼できる友人を信じて、約束を果たすために全力で故郷に戻ります。

彼は、様々な困難に直面しながらも、走り続けます。

最終的に、メロスは約束の時間ギリギリに戻り、友人を救うことに成功します。

彼の強い友情と信念が、ディオニスの心を動かし、物語は感動的な結末を迎えます。

内容的に幅広い年齢層で楽しめると思いますので、ぜひ一度読んでみてください。

 

走れメロスの特徴、魅力

 

語感や文章の表現力が面白い

走れメロスは語感や表現の仕方が面白いのが特徴です。

例えば、走れメロスの最初の文章は、

メロスは激怒した。必ずかの邪智暴虐の王を覗かなければならぬと決意した。

邪智暴虐というのは、悪知恵が働き、乱暴で残酷な振る舞いをして人を苦しめる人のことを言います。

メロスは人を信じられなくなった王様が、罪のない人たちを次々と殺していることを知って、ものすごく怒りました。

1文目の激怒は、メロスが激しく怒ったとしても意味は同じですが、敢えてそう書かず激怒という言葉を使っています。

この文章では激怒という言葉の強さで、メロスの強い怒りを表現しています。

邪智暴虐という言葉からも、すごく悪い王様という感じが伝わってきますよね。

走れメロスの文章の特徴としては、 言葉から受ける感覚的な印象で、感情がしっかり伝わるように言葉が使われていることです。

ちょっと難しそうな言葉もありますが、それぞれの人物の感情、表現力を楽しんで読んでみてください。

 

正義感の強さを学ぶ

メロスの正義感の強さも魅力の一つです。

メロスは、ただの羊飼いですが、悪に対しては人一倍に敏感で、王が罪のない人を殺すと聞いて怒っていました。

悪い奴は絶対に許せないという思いが強かったんですね 。

メロスは、王様のひどい振る舞いを聞いて王を倒そうとすぐに城に向かいました。

当然、すぐに捕まり、「何をしに来たのか?」と王に問い詰められます。

「暴君の手から救うのだ」とメロスは悪びれずに答え、堂々とした態度で返答します。

一歩間違えば殺されてしまう可能性があるのに、普通の人はメロスみたいに行動できないですよね。

正義感の強いメロスは死ぬことも覚悟して行動しました。

私達も問題から逃げるのではなく、メロスの姿勢を見習いたいですね。

 

友情とはどういうものか考える

走れメロスは、メロスとセリヌンティウスの友情の尊さも見どころの一つです。

死刑を言い渡されたメロスは、「妹の結婚式のために3日だけ待って欲しい。その代わりに親友のセリヌンティウスを人質として差し出す」と王に伝えます。

セリヌンティウスは、メロスを信じて無言で頷きます。

ここでは、本当の友情とはどういうものか、友情の理想のイメージを持って友達と付き合ってほしいという作者からのメッセージが込められています。

 

人間の弱さを知る

最後は、人間の弱さについて描かれています。

メロスは親友の元へ急ぎますが、途中の川が大雨で荒れくるっていたり、山賊に襲われたりして時間がどんどんなくなっていきます。

頑張って走りますが、最後は疲れて動けなくなってしまい、メロスはそこで「もういいんじゃないか」と諦めてしまいます。

正義感が強く、友情に熱いメロスだけど体力が限界を超えて、心もくじけそうになってしまうのです。

人間は、体の調子が悪いと心の調子も悪くなり、弱気になってしまいます 。

誰にでも言えることではありますが、落ち込んだ時は、心と向き合うだけでなく体を休めることを忘れないようにして欲しいと思います。

 

走れメロスの名言

 

この作品の中で特に有名な名言の一つは、「人間は信じ合うことができる生き物だ」というものです。

この言葉は、メロスが友人のために自らの命を賭けて走る姿勢を象徴しています。

また、メロスが「私は必ず戻る」という決意を表明する場面も印象的です。

この言葉は、友情や約束の大切さを強調しており、メロスの強い意志と信念を示しています。

その他にも名言はありますが、自分が気になる言葉は人によって違うと思いますので、ぜひ探してみて下さい。

 

走れメロスのまとめ

 

走れメロスは、人の心を信じることができない王に友情や信頼することの尊さを悟らせる物語です。

この本を通じて、著者の太宰治が伝えたかったことは、二つあります。

一つ目は、「きちんと友達を大切にし、人を信頼してほしい」ということ、二つ目はメロスが、自分の命をかけて親友との約束を守るためにひたすら走る姿がとても印象的ですが、このひたむきな姿勢や生き方をぜひ参考にしてほしいということです。

その他にもこの本からは様々なことが学べると思いますので、ぜひ小学生のうちに読んでみてください。

 

走れメロス 太宰治 名作選 (角川つばさ文庫)

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