小学生のうちに読んでおきたい名作 蜘蛛の糸

Last Updated on 2024年4月4日 by toshi

蜘蛛の糸は、中学1年生の教科書にも未だに採用されているとても有名な作品です。

中学生の教科書に採用されていると言っても、文章的にはそれほど難しくなく、振り仮名が振ってあれば、小学校中学年の10歳ぐらいでも読めると思います。

今回は蜘蛛の糸のあらすじ 特徴などについて紹介していきたいと思います。

 

蜘蛛の糸とは

 

くもの糸・杜子春(新装版)-芥川龍之介短編集- (講談社青い鳥文庫)


作者は芥川竜之介で、東京生まれの小説家です。

短編小説を多く書き、代表作に 鼻 羅生門 河童などがあります。

非常に優秀な文学者だったので、その名を取って芥川賞という文学賞ができました。 蜘蛛の糸は、その芥川龍之介の作品の一つです。

 

蜘蛛の糸 のあらすじ(ネタバレ含みます)

地獄に落ちた大泥棒のカンダタ、天国からその様子を見ていたお釈迦様は、彼が蜘蛛を助けたことがあることを思い出し 蜘蛛の糸を地獄に垂らしてカンダタを助けようとします。

それにすがる カンダタですが、他の多くの罪人も蜘蛛の糸を登ってきてしまいます。

最後は蜘蛛の糸が切れて、カンダタは血の池に落ちてしまいます。

登場人物が、カンダタとお釈迦様の他には多くの罪人しか登場しませんので、非常に分かりやすくシンプルな話になっています。

 

芥川龍之介の丁寧な文章

 

文章には、です、ます、でございますや、だ、であるみたいに色々な形がありますよね。

これを文体と言います 彼の文章は 丁寧な印象を受けます。

文体が変わると雰囲気 自体も変わってしまうので 作家や作品によっていろいろな文体があるので本を読む時に注目して真似してみるのも面白いかと思います。

 

対比の使い方

 

蜘蛛の糸で 意識してほしいのが 極楽と天国かという 全く違う場所が描かれているということです。

極楽では、綺麗なハスの花が池 一面に咲いていて、玉のように真っ白で金色で何とも言えないようないい匂いが出ているという、朝の描写があるにあるのに対して、地獄では真っ赤な血の池で死にかけたカエルみたいに人間がもがいています。

極楽と地獄みたいに、2つのものを並べて比べることを対比と言いますが、蜘蛛の糸はその対比が非常に分かりやすい作品です。

比べることでそれぞれの違いがはっきりしてきます。

比べながら読むという意識を持つことも本を楽しむコツです。

 

話をするように突っ込む

 

お釈迦様は、大泥棒のカンダタでも蜘蛛を殺さずに助けてあげたことがあるのを思い出して、助けてあげようとします。

そして地獄に向かって蜘蛛の糸を垂らします。

ただ、カンダタがのその蜘蛛の糸必死で登っていくのに対して、他の罪人も 糸を登って来たので、カンダタは糸が切れると思って必死に騒ぎます。

すると、蜘蛛の糸が切れてしまってカンダタも地獄に落ちてしまいます。

蜘蛛の糸が切れそうで騒いだのに、逆に切れてしまうところが切ないですよね。

「ここでそんなこと言わなきゃよかったね」とか「思いやりがないからこんなことになったのかな」とか自分なりに話をするようにツッコミを入れてみましょう。

これを突っ込むように話をすると言いますが、これをするだけで読書をより一層楽しめると思います。

 

たとえの表現を探す

 

読書感想文を書くときに あらすじを 書こうとするお子さんが多いと思います。

あらすじももちろん知っておいた方がいいとは思いますが、 作品の細やかな表現に目をつけて感想を変えてみるのも良いです。

蜘蛛の糸だったら、「たとえ」の表現が面白いと思います。

例えば 蓮の葉は翡翠(ひすい)のような色をしたと書いてあります。翡翠というのは緑色の宝石のことです。

とても綺麗な色の葉なんだというのがわかると思います このように〜のようなで何かに例えて表現する方法を比喩と言います。

「まるで死にかかったカエルのように」というのも比喩です。

比喩を探しながら、読んで気づいたところをたくさん抜き書きして、この作品はこうした表現が面白いと感想を書いても、楽しい読書感想文になるかもしれません。

 

蜘蛛の糸まとめ

 

くもの糸・杜子春(新装版)-芥川龍之介短編集- (講談社青い鳥文庫)

蜘蛛の糸が伝えたかったことは何でしょうか?

一つはどんなに切羽詰まった状況だとしても、自分だけが助かろうとすると最終的に自分が不幸になってしまいます。

つまり、自分だけの利益を求めてはだめだということですね。 また自分の欲望のせいで大きなチャンスを水の泡にしてしまうこともあります。

大事なのは、常日頃から与えられた恵みに感謝して、他人を思いやる気持ちを持つことが大切だということです。

自分のことばかりを考えるのではなく、みんなのことを考えるべきであるということが、お釈迦様の気持ちであり、物語の伝えたかったことではないかと思います。

機会があれば読んでみてください。

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