小学生の男の子にこそ読んでほしい 若草物語
Last Updated on 2024年10月26日 by toshi
若草物語とは
『若草物語』は、ルイーザ・メイ・オルコットによって書かれた小説で、1868年に初版が発表されました。この作品は、アメリカのマーチ家の四姉妹、メグ、ジョー、ベス、エイミーの成長と日常を描いています。
著者のルイーザは、4人姉妹の次女で、代表作若草物語は、自身の姉妹をモデルに変えた自伝的小説と言われています。
登場人物
メグ・マーチ: 姉妹の中で最もおしとやかで、結婚を夢見る。
ジョー・マーチ: 自由奔放で文学に情熱を持つ、物語の主人公。
ベス・マーチ: 内気で優しい性格、音楽が得意。
エイミー・マーチ: 最年少で、自己中心的な面もあるが、成長していく。
ローレンス氏: 隣人で、特にジョーと親しい関係を築く。
ローリー: ローレンス氏の孫で、姉妹たちと親しい友人。
若草物語のあらすじ
物語の舞台は、南北戦争時代のアメリカを背景に、マーチ家の四姉妹がそれぞれの夢や悩みを抱えながら成長していく様子を描いています。
彼女たちは貧しいながらも愛情に満ちた家庭で育ち、友情や恋愛、家族の絆を通じて様々な経験を重ねていきます。
最終的には、それぞれの人生の選択をし、成長していく姿が描かれています。
対象年齢
『若草物語』は、主に小学生から中学生を対象とした作品ですが、大人が読んでも楽しめる内容です。
特に、成長や家族の絆について考えさせられるため、幅広い年齢層に親しまれています。
個性豊かな姉妹達が物語を楽しくする
若草物語は、個性豊かな4姉妹の何気ない日常と成長していく姿を描いた物語です。
若草物語は、マーチ家の4姉妹を中心としたお話ですが、それぞれの性格や好きなもの得意なことが違っていて面白いです。
長女は、しとやかでしっかり者、きれいなものが大好き。
次女は、気が強くて元気いっぱい、本好き。
三女は、しっかりしていて恥ずかしがりやで音楽が大好き。
四女のエイミーは、わがままで甘えん坊です。
こうして分けてみると、確かにみんなそれぞれ違いますよね。
エイミーはなぜ嫌われるのか
若草物語の口コミや感想を見ると、エイミーが嫌いと言う意見が目立ちます。
理由としては、やはり自己中心的で見栄っ張りなところではないでしょうか。
兄弟がいる人はわかると思いますが、兄弟でもみんな性格が同じということはありません。
友達ならこの子とは仲良くしようとか、少し距離を置こうとか考えることができますが、家族に対しては受け入れていくしかありません。
4姉妹が協力しあったり、喧嘩したりする場面がたくさん出てきますが、兄弟や姉妹が多い家庭では「そういう考えもあるかもね」と参考になるかもしれませんね。
若草物語は家族の会話を楽しむ
若草物語では、ぜひ家族の会話にも注意しながら読んでみてください。
例えば、長女は、「一度怒ってしまうと手がつけられなくなって、人を傷つけてそれを楽しんでしまうんだ」とお母さんに相談します。
するとお母さんもかつては同じ悩みがあり、「言ってはいけないことを言いそうになった時に、グッとこらえてさっと部屋を出るんだ」と教えてくれます。
何気ない親子の会話のやり取りかもしれないですが、本人にとっては、とても大きな意味がある会話です。
その他にも、お母さんや姉妹の優しくて暖かい家族の会話がたくさん出てくるので、役に立ったり、楽しみながら読むことができます。
家族のやりとりが参考になる
若草物語は、家庭の日常を描いているので、自分の家庭の問題に対しても参考にできる部分は多いのではないでしょうか。
物語の中で、4姉妹とお母さんのいろいろなやり取りがあります。
普通の家庭でもちょっとしたことで口喧嘩をしたり、仲直りしたり、本の内容といろいろ似たようなことがあると思いますが、それも参考になると思います。
それから、この物語にはお隣に住むお年寄りや、少年ローリーとの交流も描かれています。
そのあたりも意識しながら読むともっと面白いかもしれませんね。
若草物語は女の子向けではなく男の子にもおすすめ
若草物語は、女の子におすすめの本かと思いますが、実は男の子にこそ読んでほしい作品です。
4人の女の子の思いや、感情がたくさん描かれているので、男の子は女の子の気持ちがよくわかるようになると思います。
小学生によくありがちなことは、女の子は男の子が主人公のお話を読むのに、男の子は女の子が主人公のお話を読まないことが多いことです。
これは非常にもったいないことです。
女の子が主人公の有名な物語には、モンゴメリーの赤毛のアンがありますが、女の子はもちろん男の子が読んでも楽しいと思いうので、男だから、女だからと考えすぎないで楽しく読んで欲しいと思います。
若草物語の感想・まとめ
若草物語は、古典の名作ならではの安心感や世代を問わず、泣いたり、笑ったり、感動できる児童小説です。
オルコットが、少女の読者向けに書いた物語にも関わらず、大人が読んでも思わず怒ったり、泣いたりしてしまうでしょう。
教訓的な内容が盛りだくさんですが、特に嫌味もなく、素直に参考にできると思います。
南北戦争時代が舞台で、戦時中ということもあり、貧乏や病気といった困難な場面もありますが、希望を失わずに一歩ずつ進んでいく人たちの姿を思い浮かべながら、読んでほしい本です。
希望を信じる人間の姿は、いつの時代も変わらず人の心を動かすでしょう。