小学校高学年おすすめ 「やまなし」で想像力を育てよう
Last Updated on 2024年11月1日 by toshi
やまなしは、宮沢賢治さんの作品です。
小学6年生の国語の教科書に掲載いるので、知っているお子さんも多いかも知れません。
今回は、「やまなし」について紹介していきたいと思います。
やまなしとは
やまなしの作者は、宮沢賢治で、岩手県生まれの詩人・童話作家です。
農業の研究と指導をしながら、多くの作品を発表しました。
代表作に、銀河鉄道の夜や注文の多い料理店などがあります。
「やまなし」は、ひらがなではイメージしずらいですが、実は山梨のことで、山に生えていた梨の実のようです。
ちなみに、私は、12月に山梨が採れるというのは、この本を読んで初めて知りました。
丸い実が川に落ちる様子が、カニの視点で書かれています。 通常、カニの視点で物を見ることはありませんよね。
でも、宮沢賢治は、まるで自分がカニであるかのような視点で物語を書いています。
そういった視点が、彼の作品の魅力なのではないかと思います。
やまなしの内容、あらすじ
物語は、ある山の中での出来事を中心に展開します。
物語の主人公は、山の中で出会った「やまなし」という果物を持つ木を見つけます。
この木は、特別な果実を実らせるもので、主人公はその果実を食べることを決意します。
しかし、果実を食べることで、彼は自然の美しさやその背後にある神秘的な力を感じるようになります。
物語は、主人公が果実を通じて自然との一体感を体験し、またその中での人間の存在意義について考えさせられる内容となっています。
賢治の作品らしく、自然の描写が豊かで、哲学的なテーマが織り交ぜられています。
全体として、「やまなし」は自然の美しさと人間の感受性を探求する作品であり、賢治の独特な視点が光る一篇です。
想像力を養う
想像力は、頭や心でイメージを膨らませる力です。
本を読むことで 想像力を伸ばすことができます。
想像力を伸ばすような 良い作品はたくさんありますが、宮沢賢治の作品には色々なイメージが膨らむ名著がたくさんあります。
やまなしを例にしてみると、最初の1文目からすこし変わっています。
小さな谷底の底を写した2枚の青い幻燈です。
幻燈というのは、スライドのことです。 画像を映し出すものです。
谷川の底を写したというのですから、舞台がいきなり川の底なんです。
川底なんて、通常川に潜らないと見えないものですが、それを普通に見えるように表現しています。
読書は、リビングや椅子に座って読みますが、想像することで、他の生き物になったり、人間になったりすることができます。
想像力がないと本は読めません。
是非、川底にいる自分を想像しながら読んでみてください。
物の見方を養う
5月 2匹の蟹の子供らが青白い水の底で話していました。
この文章から想像できることは、2つの見方があるということです。
1つ目は、川の上から人間の立場でカニの子供達を見ること、2つ目は、カニの視点、つまり水の中から見ることです。
物の見方を変えるだけで、カニの子供達にすごく近づけた感じがしますよね。
疑問と「きづき」から想像してみる
クラムボンは笑ったよ クラムボンはカプカプ笑ったよ クラムボンは跳ねて笑ったよ
このクラムボンとは何でしょうか?
クラムボンが跳ねる、カプカプを笑うってどういうことでしょうか?
想像しながら読んでいきます。
上の方や横の方は青く暗く鋼のように見えます。そのなめらかな天井をつぶつぶ暗い泡が流れていきます。
なめらかな天井っていうのはどこなんだろう?と考えてみたり、 上や横の方は、鋼のように見えてつぶつぶ暗い泡が流れていくと書いてあります。
するとこれはおそらく、建物の天井じゃなくて、川の底から見た川の表面のことじゃないかと想像ができます。
なかなか難しいかとは思いますが、疑問に思ったり、気づいたことはメモしたりしながら読むと、より深く作品の世界に入り込むことができます。
視点を移動してみる
12月蟹の子供らはもうよほど大きくなりそこの景色も夏から秋の間にすっかり変わりました。
5月の場面が終わると次は12月になります。
12月になるといよいよやまなしが出てきます。
やまなしは、ひらがなではイメージしずらいですが、実は山梨のことで、山に生えていた梨の実です。
丸い実が川に落ちる様子が、カニの視点で書かれています。
通常、カニの視点で物を見ることはありませんよね。
でも、賢治は、まるで自分がカニであるかのような視点で物語を書いています。
このカニの視点で物事を違った景色で見るということが大切なことです。
私たちは普段川を上から見下ろしていますが、中に入ってみると見え方が変わります。
そういえば プールに潜った時に上を見るとキラキラとしたいつもと違う景色が見えますよね。
宮沢賢治は、この作品で その様子を光の網と表現しています。 小学生の頃は水の底に潜るのがみんな好きだったと思います。 あの時に見た光の網を思い出してみてください。
そして こんなふうに視点を移動するだけで見えるものが全然違ってきます。
この作品ではそういうことも学べます。
普段の生活でも、いろいろ違う視点で物事を見てみると、状況が変わって面白いと思いますよ。
やまなしまとめ
やまなしは、宮沢賢治が書いていますが、この童話の舞台である小さな谷川の風景が美しく描かれている絵本です。
宮沢賢治さんは岩手県出身なので、この絵本に描かれているような自然を見ながら過ごしてきたのかもしれませんね。
そういった自然の中で過ごしてきたからこそ、すばらしい想像力が養われたのでしょう。
その辺のところも加味しながら読むとより一層面白い絵本だと思います。