中学校に入ってから習うのではもったいない 走れメロスは小学校で読むのがおすすめ
Last Updated on 2024年4月6日 by toshi
走れメロスは、中学校の教科書に掲載されている話ですが、物語が分かりやすく、小学生でも十分に楽しめる内容になっています。
人間の様々な感情が話の中に盛り込まれているので、それを味わいながら読むとより楽しめるでしょう。
今回は、有名な走れメロスについて紹介していきたいと思います。
走れメロスとは
走れメロスの著者は、太宰治で、青森県生まれの作家です。
東京帝国大学に入学し、井伏鱒二に弟子入りし、自虐的、反逆的な作品を多く発表しました。
代表作に、津軽、斜陽、人間失格などがあります。
太宰治の作品の多くは、人間の本質的なもの、闇の部分が多いイメージです。
ただ、走れメロスに関しては、光の部分に焦点が当てられていて、物語を通して友達の大切さや人の信頼することの素晴らしさを教えてくれます。
走れメロスのあらすじ
人を信じられず、多くの人を殺してしまう王様がいました。
王様の過ちを責めたメロスは、死刑を言い渡されます。
最後に、妹の結婚式をあげたいと親友を人質にして3日待ってもらうことを王様にお願いします。
すると王様は、3日の夕方までにきちんと帰ってこいという約束を言い渡します。
何とか妹の結婚式を終え、親友の元へ走るメロスに 試練が襲い掛かります。
走れメロスは語感を楽しもう
走れメロスの最初の文章は、メロスは激怒した。必ず可能 邪智暴虐の王を覗かなければならぬと決意した。
邪智暴虐というのは、悪知恵が働き、乱暴で残酷な振る舞いをして人を苦しめる人のことを言います。
メロスは人を信じられなくなった王様が、罪のない人たちを次々と殺していることを知って、ものすごく怒りました。
1文目の激怒は、メロスが激しく怒ったとしても、意味は同じですが、敢えてそう書かず激怒という言葉を使っています。
この文章では激怒という言葉の強さで、メロスの強い怒りを表現しています。
邪智暴虐という言葉からも、すごく悪い王様という感じが伝わってきます。
走れメロスの文章の特徴として、 言葉から受ける 感覚的な印象を語感と言いますが、走れメロス では語感で感情がしっかり伝わるように、言葉が使われています。
ちょっと難しそうな言葉もあるかもしれませんが、 まずは語感を楽しんで読んでみてください。
正義感の強さを感じ取ろう
メロスは、政治のことがわからないし、笛を吹き、羊と遊んで暮らしてきたけれども、邪悪に対しては人一倍に敏感でした。
王が、罪のない人を殺すと聞いて怒っていました。
悪い奴は絶対に許せないという思いが強かったんですね 。
メロスは、王様のひどい振る舞いを聞いて、自分が王を倒そうとすぐに城に向かいました。
普通は殺されてしまう可能性もあるのでそんなことはしません。
でもすぐに捕まってしまいます。
何をしに来たのか王に問い詰められたメロスは、こう答えます。
暴君の手から救うのだとメロスは悪びれずに答え、堂々とした態度でその過ちを責めます
普通は、メロスみたいに行動できないですよね。
正義感の強いメロスは死ぬことも覚悟して行動しました。
友情とはどういうものかについて考える
死刑を言い渡されたメロスでしたが、妹の結婚式のために3日だけ待って欲しいと願い出ます。
その代わりに親友の セリヌンティウスを人質として差し出すと伝えます。
制限+はそんな 無茶苦茶なお願いではあったけれど メロスを信じて 無言で頷きます。
物語の最後にかけて、2人の関係には是非注目してほしいです。
本当の友情とはどういうものか友情の理想のイメージを持って友達と付き合ってほしいという作者からのメッセージが込められています。
人間の弱さを知る
メロスは親友の元へ急ぎますが、途中の川が大雨で荒れくるっていたり、山賊に襲われたりして時間がどんどんなくなっていきます。
頑張って走りますが、最後は疲れて動けなくなってしまいます。
メロスはそこで「もういいんじゃないか」と諦めてしまいます。
正義感が強く、友情に熱いメロスだけど体力が限界を超えて、心もくじけそうになってしまうのです。
この時のメロスの心に浮かんだ思いや自分への諦めのような気持ちがたくさん書いてあります。
人間は、体の調子が悪いと心の調子も悪くなり、弱気になってしまいます 。
その後、メロスは水を一口飲むと復活しますが、 落ち込んだ時は、心と向き合うだけでなく体を休めることを忘れないようにして欲しいと思います。
いつでもポジティブで前向きな姿勢を学ぶ
メロスは、自分の命をかけて親友との約束を守るためにひたすら走る姿がとても感動的です。
友情の理想のイメージを持ってほしいと伝えましたが、皆さんにもひたむきな姿勢や生き方のイメージを参考にしてほしいと思います。
走れメロスのまとめ
走れメロスは、自分が王処刑されることになると承知の上で友情を守ったメロスが、人の心を信じることができない王に友情や信頼することの尊さを悟らせる物語です。
この本を通じて、すべての人に太宰治が伝えたかったことは、愚かな王のようにならないように、きちんと友達大切にし、人の心を信頼してほしいということです。
この本からは非常にいろいろなことが学べると思いますので、ぜひ小学生のうちに読んでみてください