中学校に入ってから習うのではもったいない 走れメロスは小学校で読むのがおすすめ

Last Updated on 2024年5月19日 by toshi

走れメロスは、中学校の教科書に掲載されている話ですが、物語が分かりやすく、小学生でも十分に楽しめる内容になっています。

物語の中には、多様な人間の様々な感情がふんだんに盛り込まれているので、それを味わいながら読むとより楽しめるでしょう。

今回は、児童文学の名作「有名な走れメロス」について紹介していきたいと思います。

 

走れメロスとは

 

走れメロス 太宰治 名作選 (角川つばさ文庫)


走れメロスの著者は太宰治で、青森県生まれの作家です。

東京帝国大学に入学後、井伏鱒二に弟子入りし、自虐的、反逆的な作品を多く発表しました。

代表作に、津軽、斜陽、人間失格などがあります。

私のイメージですが、太宰治の作品の多くは、人間の本質的なもの、闇の部分が多いイメージです。

ただ、例外として、走れメロスに関しては光の部分に焦点が当てられていて、物語を通して友達の大切さや人の信頼することの素晴らしさを教えてくれるという特徴があります。

 

走れメロスのあらすじ

 

それでは、簡単にあらすじを紹介していきます。

人を信じられず、多くの人を殺してしまう王様がいました。

王様の過ちを責めた正義心が強いメロスは、死刑を言い渡されてしまいます。

メロスはそれでも構わないが、最後に妹の結婚式をあげたいので、親友を人質にして3日待ってもらうことを王様にお願いします。

すると王様は、3日の夕方までにきちんと帰ってこいという約束を言い渡します。

何とか妹の結婚式を終え、親友の元へ走るメロスに何度も試練が襲い掛かり、あきらめそうになってしまいますが・・・。

続きは、ぜひ読んでみてください。

 

走れメロスは語感を楽しもう

 

走れメロスは語感や表現の仕方が面白いのが特徴です。

例えば、走れメロスの最初の文章は、メロスは激怒した。必ずかの邪智暴虐の王を覗かなければならぬと決意した。

邪智暴虐というのは、悪知恵が働き、乱暴で残酷な振る舞いをして人を苦しめる人のことを言います。

メロスは人を信じられなくなった王様が、罪のない人たちを次々と殺していることを知って、ものすごく怒りました。

1文目の激怒は、メロスが激しく怒ったとしても意味は同じですが、敢えてそう書かず激怒という言葉を使っています。

この文章では激怒という言葉の強さで、メロスの強い怒りを表現しています。

邪智暴虐という言葉からも、すごく悪い王様という感じが伝わってきます。

走れメロスの文章の特徴として、 言葉から受ける感覚的な印象を語感と言いますが、走れメロスでは語感で感情がしっかり伝わるように言葉が使われています。

ちょっと難しそうな言葉もあるかもしれませんが、 まずは語感や表現力を楽しんで読んでみてください。

 

正義感の強さを感じ取ろう

 

メロスの正義感の強さも物語の魅力の一つです。

メロスは、政治のことがわからないし、笛を吹き羊と遊んで暮らしてきたけれども、邪悪に対しては人一倍に敏感で、王が罪のない人を殺すと聞いて怒っていました。

悪い奴は絶対に許せないという思いが強かったんですね 。

メロスは、王様のひどい振る舞いを聞いて自分が王を倒そうとすぐに城に向かいました。

普通は殺されてしまう可能性もあるのでそんなことはしませんよね。

当然、すぐに捕まってしまいます。

何をしに来たのか王に問い詰められたメロスは、こう答えます。

暴君の手から救うのだとメロスは悪びれずに答え、堂々とした態度でその過ちを責めます

普通は、メロスみたいに行動できないですよね。

正義感の強いメロスは死ぬことも覚悟して行動しました。

問題から逃げるのではなく、メロスの姿勢を見習いたいですね。

 

友情とはどういうものかについて考える

 

物語の最後にかけて、メロスとセリヌンティウス、2人の関係に是非注目して読んでみてください。

死刑を言い渡されたメロスは、妹の結婚式のために3日だけ待って欲しいと願い出ますが、その代わりに親友のセリヌンティウスを人質として差し出すと王に伝えます。

セリヌンティウスは、そんな無茶苦茶なお願いではあったけれど、メロスを信じて無言で頷きます。

本当の友情とはどういうものか、友情の理想のイメージを持って友達と付き合ってほしいという作者からのメッセージが込められています。

 

人間の弱さを知る

 

最後は、人間の弱さについて描かれています。

メロスは親友の元へ急ぎますが、途中の川が大雨で荒れくるっていたり、山賊に襲われたりして時間がどんどんなくなっていきます。

頑張って走りますが、最後は疲れて動けなくなってしまいます。

メロスはそこで「もういいんじゃないか」と諦めてしまいます。

正義感が強く、友情に熱いメロスだけど体力が限界を超えて、心もくじけそうになってしまうのです。

この時のメロスの心に浮かんだ思いや自分への諦めのような気持ちがたくさん書いてあります。

人間は、体の調子が悪いと心の調子も悪くなり、弱気になってしまいます 。

その後、メロスは水を一口飲むと復活しますが、 落ち込んだ時は、心と向き合うだけでなく体を休めることを忘れないようにして欲しいと思います。

 

走れメロスのまとめ

 

走れメロスは、自分が王処刑されることになると承知の上で友情を守ったメロスが、人の心を信じることができない王に友情や信頼することの尊さを悟らせる物語です。

この本を通じて、すべての人に太宰治が伝えたかったことは、愚かな王のようにならないようにきちんと友達大切にし、人の心を信頼してほしいということです。

また、物語の醍醐味としてメロスが、自分の命をかけて親友との約束を守るためにひたすら走る姿がとても感動的ですが、このひたむきな姿勢や生き方のイメージをぜひ参考にしてほしいと思います。

この本からは非常にいろいろなことが学べると思いますので、ぜひ小学生のうちに読んでみてください。

 

走れメロス 太宰治 名作選 (角川つばさ文庫)

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