小学校中学年におすすめ 夏目漱石の「坊ちゃん」で作者が伝えたかったこととは
Last Updated on 2024年4月22日 by toshi
「坊ちゃん」の作者 夏目漱石は、千円札の絵柄にもなったことがあり、日本を代表する小説家です。
代表作は「こころ」「吾輩は猫である」などたくさんありますが、坊っちゃんもまた、たくさんの人に愛されてきた作品です。
今回は、「坊ちゃん」について紹介していきたいと思います。
坊ちゃんとは
作者は夏目漱石さんで、現在の東京生まれの小説家です。
教師を務めイギリスに留学、帰国後に小説家としてデビューし、「吾輩は猫である」や「草枕」など多くの作品を残しました。
坊ちゃんの由来は、お手伝いの清が彼を呼ぶ時の呼び名です。
子供の時から、親譲りの無鉄砲で平気で2階から飛び降りたり、常に目が離せないストーリー展開に、思わず読書に没頭してしまうのではないかと思います。
坊っちゃんあらすじ(ネタバレ含む)
子供の頃、両親にも姉にも相手にされなかった、坊ちゃん。
でも、お手伝いさんの清だけは可愛がってくれました。
坊ちゃんの由来は、清が彼を呼ぶ時の呼び名です。
東京から四国の中学校に数学教師として赴任してきた坊ちゃんでしたが、坊ちゃんを気に入らない教師や生徒がいたずらを仕掛けてきて邪魔をします。
ただ、持ち前の向こうみずで正義感が強い性格なので、新米教師でありながらも日々奮闘していきます。
最後は、松山で権力者に立ち向かい、敗れて教師を辞め東京に戻りますが、再び清のもとに戻ることで余生は穏やかに過ごしています。
坊っちゃん対象年齢は?
坊ちゃんの対象年齢は、10歳~中学年ぐらいなら問題なく読めると思います。
坊ちゃんの音読
小学校にもよりますが、授業で坊ちゃんを音読するところもあるそうです。
もちろん、1日ではとても終わらないので、少しずつ 1ヶ月ぐらいかけて終わらせます。
音読をすることは、実はいろいろメリットがあります、しかも坊ちゃんのような古典文学ならなおさらです。
では、なぜ音読が良いのでしょう。
音読は、あらすじがつかめるだけではなく、その本に出会った言葉や本の中の風景を一つずつ覚えていくことができます。
より深く読書を楽しめるので、是非坊ちゃんの音読にチャレンジしてみてください。
坊っちゃんは、読み進めていくと様々なことが次々に起こるので、読みながら何度も笑えてとにかく楽しむことができます。
少し長い作品ではあるけど、小学生でも大人と一緒に音読で読破できる内容だと思います。
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最初の一番に注目してみよう
夏目漱石といえば最初の一番のつかみが上手です。
例えば、彼の作品の「吾輩は猫である」のつかみの部分は、「吾輩は猫である名前はまだない」です。
そして坊ちゃんの最初の一文は、
親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。
ですが、吾輩は猫のように主語はないですよね?
ただ、坊ちゃんが主人公であるということは容易に想像できます。
また、無鉄砲というのは後先を考えずに行動することを言いますが、この主人公は無鉄砲であることも分かります。
親譲りは、親から譲り受けたので、親も同じような性格なのでしょう。
ただ、こういった無鉄砲な主人公が物語を作っていくのだということが分かります。
日本古来の言葉を味わうことができる夏目漱石さんの作品は、語彙がとても豊富です。
語彙が豊富ということは、つまり色々な言葉が使われているということです。
例えば、
坊ちゃんが2階から飛び降りた理由が、なぜそんなむやみなことをしたと聞く人もいるかもしれないですが、 別段深い理由もなく、ただ同級生の一人が冗談に弱虫とからかったからです
が、ここで出てくる「むやみ」というのは、無鉄砲と同じで、後先や良し悪しを考えずに行動することです。
「むやみ」という言葉も、今はそれほど使われないので、少し古い言葉かもしれません。
ただ、こうした古い言葉にふれる機会になるからこそ、読書は面白いのだと思います。
坊ちゃんまとめ
坊ちゃんの作者、夏目漱石が伝えたかったことは、様々な価値観の変化があっても愛情は不変だということを伝えたかったのではないでしょうか。
子供の頃両親にも姉にも相手にされなかった、坊ちゃん。
そんな坊ちゃんに清だけが愛情を持って接してくれます。
清と暮らす最後が描かれることで、主人公は権力者に負けたものの、その後は幸せな生活を送ることができました。
坊ちゃんを読む際は、ぜひ清との関係にも注目して読んでくださいね。