エンデの作品はモモだけじゃない 「はてしない物語」も子供の国語力を上げる効果がある
Last Updated on 2024年4月18日 by toshi
エンデの作品の中でもモモと並ぶ最高傑作、はてしない物語は、東大生が読んでいた本の中でも人気がある小説です。
良質なファンタジー小説であり、少年の成長物語描いた児童小説の最高傑作です。
今回は、「はてしない物語」について、その面白さや魅力について紹介していきたいと思います。
はてしない物語のあらすじ
はてしない物語は、主人公であるバスチアンが、学校の倉庫に閉じこもって読む本のそこに描かれていた物語という物語ない物語の形式で始まります。
物語内でバスチアンがいる現実世界の描写は赤い文字、はてしない物語の本の中の描写は緑の文字で色分けされています。
前半は緑の旗族の少年であるアトレーユが主人公。バスチアンが読み進むはてしない物語の中で、アトレイユは ファンタージェンの世界を統治する女王である「幼心の君」を癒し、同時に崩壊の危機に瀕するファンタージェンを救うため、壮大な旅に出かけます。
旅の途中、「幸いの竜」であるフッフールと出会った アトレーユは、ファンタージェンを救う鍵が人間の救い主にあることを知ります。
そして、バスチアンは徐々にその救い主が自分自身であることを悟るわけです。
そして物語は後半に移ります。幼心の君を救済したは自らファンタージェンをもう一度形作っていきます。
自分が望んだことがそのまま物語世界の中で実現し、同時に物語世界を豊かにしていくことを知ったバスチアンは、自由に想像力を働かせ、同時に自分がコンプレックスを持っていた自分の様々な欠点を物語世界の中で変革していきます。
ところが、バスチアンは重大な事実を知ります。自分の願いを叶えるために、その代償として願いの元となっている現実世界での記憶を失っており、全ての記憶を失ってしまえば、自分の名前や心すら失ってしまうということを知るのです。
ネタバレになってしまうため、ここまでにしておきます。
先が気になる方は、ぜひ自分で読んでみてくださいね。
はてしない物語の世界を楽しむならKINDLE版、文庫版よりも、ハードカバー版がおすすめ
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なぜハードカバー版を勧めるかと言うと、はてしない物語は、装丁も含めて1つの物語として成り立っていること、また、物語の中に登場する本も全く同じ装丁であるからです。
赤金色の光沢、絹のような手触りの布張り、2匹の蛇が楕円を描く模様、ずっしりとした厚みのある存在感、本を手にしたら読み始める前から物語に引き込まれそうです。
もちろん文庫版もありますが、文庫版では装丁がありません。
この物語の醍醐味である、読者が物語の中へ入って冒険する感覚はハードカバー版でこそ成り立つものです。
ファンタジーの世界に登場する本なので、はてしない物語のハードカバー版は少し変わった作りになっています。
この魅力的なハードカバー版で是非読んでみてください。
はてしない物語を外で楽しく読みたいならKINDLE版・文庫版
Kindle 版がなぜおすすめかというと、やはり持ち歩きに便利なことです。
ハードカバー版だと外で読んだり、寝転がって読むには読みにくいです。 なので、家で読むときは ハードカバー版でも外に出かける時はKindle 版が良いでしょう。
AmazonのKindle Fireなどのタブレットに一度入れてしまえば、何百何千冊の中の1冊として自由に読むことができます。
また、図書館でも 電子書籍版の貸し出しというのが始まっていて、自分のタブレットなどで本を読むことができるので、図書館で借りるという選択肢もあるかもしれませんが、はてしない物語はとても分厚い本なので、購入して読んだ方がゆっくり味わえると思います。
ちなみに、文庫版だと持ち運びには便利ですが、2色刷りではないので2つの世界が区別しにくいというのもあったり、文字が小さいのも難点です。
もし購入するのであれば、その辺りを考慮して購入してください。
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はてしない物語の対象年齢は?
はてしない物語を自分で読むなら、小学校高学年、年齢でいえば11歳ぐらい~です。
漢字にはルビが振ってあるので、ある程度難しい本を読めるようになってきた子供たちにぜひ読んでほしい本です。
なぜなら、これだけ分厚い本を自分で読めたということになると、読書への自信にもつながります。
ただ、小学校低学年であっても、親に読み聞かせしてもらえば、読書を楽しむことができるので、親は大変かもしれませんが、読んであげることをお勧めします。
もちろん、大人にとってもしっかり読み応えがあり、児童書とはいえ本好きな大人も満足させてくれる一冊だと思います。
難易度でいえば、同じ作家の「モモ」も同じぐらいのレベルなので余裕があれば読んでみてください。
東大生おすすめ 賢い子供の知性を育てる名作「モモ」は小学生のうちに読もう
有名なネバーエンディングストーリーは、はてしない物語が原作
はてしない物語は、ネバーエンディングストーリーとして映画化されています。
ネバーエンディングストーリーは、1984年にドイツ・アメリカで上映されたファンタジー映画です。
ミヒャエルエンデの小説はてしない物語の映画化作品であり、ウォルフガング ペーターゼンが監督を務め、バレットオリバー、ノア ハザウェイ、ターミーストロナッハが主演しています。 公開当時、アメリカとソビエト連邦で制作された映画としては最高額の精算費が投じられたネバーエンディングストーリー シリーズの第1作目です。日本でも上映され、後に金曜ロードショーなどで放送もされています。
小説の前半部分を映画にしていますが、結末の描写は原作とは異なっています。
小説の後半部分は、ネバーエンディングストーリー第2章で映画化され、ネバーエンディングストーリー3では、オリジナル エピソードが描かれています。
ちなみに、Amazon primeなら安く見ることができますよ。
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